导演:鷲田清一
〈身体〉から〈肉〉へ、両義性から可逆性へ。 華麗なスティルを駆使して、メルロ=ポンティの現象学的思考はあざやかに変奏される。存在論の新たな地平を切り開いた希有な哲学者の生涯とその思想を探究する。 メルロ=ポンティ(Maurice Merleau-Ponty 1908-1961) フランスの哲学者。コレージュ・ドゥ・フランス教授。後期フッサールの影響をうけ現象学的思考を展開し、第二次大戦後の実存主義と、''60年代にはじまる構造主義とをつなぐ重要な役割を果たした。また、サルトルとともに『レ・タン・モデルヌ』誌を創刊するなど、戦後フランスの思想界の第一世代として大きな足跡を残す。主著に『行動の構造』『知覚の現象学』『シーニュ』『見えるものと見えないもの』など。